タイの農村部には郵便配達員、EMS配達員は来ない

タイの農村に長く住んでいるが、どの農村の民家にも郵便受けというものはない。
これでは郵便配達員も郵便を受け取る側もお互いに迷惑しそうなのになぜ郵便受けをつけないのかと長年思っていたが、理由が分かりかけてきた。
村の民家に郵便配達員が郵便なり小包を配達しているところは一度も見たことがない。
長年に渡り偶然一度も見ないということは有り得ない。
郵便配達員とか、EMS(国際及び国内郵便)配達員は農村には来ない。
EMSとかは配達証明が必要なはずなような気がするが、それでも配達員は農村には来ない。
日本から書類を送ってもらったことが二回あったが、一回目の普通郵便は届かず不明になり、二回目のEMS郵便は郵便配達員ではなく近所の村人が持ってきた。
最近通販で物を二回買ったが、一回目は届くのが遅くて苦情を言おうかと思っていたところ、たまたま外を歩いている時に近所の村人がタイ国内EMSの私宛の封筒をくれた。
EMSでは追跡調査ができるのだが、毎回、民間のどこかに渡したことになって終わりになっている。
本人に届ける気はないのだ。
最近買った二回目の通販はEMSの追跡調査ではこの村を管轄している郵便局まで来た後に民間のどこかに渡してすでに郵便局の手を離れて終了したことになっている。
が、まだ私の手には届いていない。
この村には来ているはずだと思ったので近所を回って聞いて見たのだが、郵便物は今日はこの村に来ていないという。
郵便物はこの村ではないところに一旦集められるらしいが、そこは公的機関ではなく郵便局でもない。
給料をもらった配達員はいないので、無給の村人が何か言ってくるのを待つしかない。
無給でボランティアでやってくれる人に対して迅速スピーディーを要求することもできず苦情を言うこともできず責任を持てと言うこともできずただ待つのみ。
いつ届くのか分からないし、届くかどうかも分からない。
郵便局の手を離れた今はEMSの追跡調査はもう終了したことになっているから、EMSの追跡調査をこれ以上見ても意味はない。
今回、通販でわりと高価なものを買った。
本当に届くのかどうか心配だ。
タイでは郵便物が届かないことがよくあるというが、原因は農村には郵便配達員がいないからだ。
郵便局は広大な地域の分をまとめてどこか一箇所に渡して、後はもう知らないということ。
そのあと、ちゃんと届くかどうかは郵便局の問題ではなく、その広大な地域の村人の人間性によって決まる。
せめて郵便局員は郵便物を村単位で持って来て欲しいと思うのだが、タイの農村ではそれすら叶わない希望だ。

あと、村人を経由して郵便物が来るからプライバシーもくそもない。
郵便物がくると村の噂になり、人に会うと「郵便物の中身は何?」と聞かれる。
できれば人に知られることなく、こっそり通販で物を買いたいのに。
通販で物を買うと村人に手数をかけさせてしまうことが分かったので遠慮して買いづらくなった。

後での追記、
翌日の朝一で誰か知らないが荷物を持って来てくれた。
郵便局の職員ではなさそうだが、サインを書けと言われた。
サインを書いた紙には他の人の名前もあったのでボランティアではなく配達の仕事をしているのかも知れない。
今回は高い物だったからサインが必要だったのだろうか。
よく分からないがまあいいや