ハツカネズミを消極的に飼うことにした。

二日前の夜、粘着のネズミ捕りにかかった子ネズミを深夜に接着剤のついた板からはがして、できるだけネズミの体に付いた接着剤を取り除きふた付きのバケツに入れている。
ある程度成長していると力があって簡単に逃げられるのでこんなことは無理。
捕まえた子ネズミでさえ、こんなに小さいのにバケツを越えられるカエル並みのジャンプ力がある。
ふたがついているからまだ逃げられていないが、もっと大きな容器を買ってこないと逃げられるのは時間の問題だ。
消極的に飼っている。
もう少しだけでも死ぬ日を延ばしてあげようと思った。
ハムスターでもないし、人間が繁殖させた白いネズミでない。
屋根裏にひそむネズミ色のネズミだ。
正直気持ち悪い。
人間になつくのかどうか実験をしてみたい。
なつかなければ飼い続けるのは難しい。
運動神経がものすごく良すぎて手におえない。
もっと動きが鈍いほうが飼いやすい。
なつかなければ逃げられてしまうと思うが、いろいろと害のあるネズミを逃がすわけにはいかない。
なついて逃げようとしなければ殺さずにすむのだが。
積極的に飼いたいとは思わないが、殺生を避けるために、大きい飼育容器を買ってこようと思う。
今はまだ赤ちゃんに毛の生えたぐらいの大きさだが、成長すればどんな飼育容器でも逃げられるような気がする。
壁をのぼって屋根まで行けるのだから逃げるのは簡単だろう。
両足を切断でもしない限りペットには向いてないな。
切断する気はないが。